年代別ライフステージのカルシウム摂取法

カルシウム
各年代でのカルシウムの必要量や摂取方法には差があり、生活ステージに応じた適切な摂取が推奨されています。カルシウムの摂取は、健康維持のためだけでなく、将来的な健康問題の予防につながります。
年代別にカルシウムの摂取方法は、以下の表の通りです。

表:カルシウムの推奨量(mg/日) [出処:厚生労働省, 日本人の摂取基準2015年版より耐用上限量(過剰摂取による健康障害の予防のための値は, 成人の場合男女とも2,500mg/日]

幼児期

成長と骨の発達を支えるために、十分なカルシウム摂取が必要です。誕生初期は、母乳や乳児用フォーミュラ(米国では赤ちゃん用のミルクのことを指す)を与えて充分です。離乳食開始後は、カルシウムを含む野菜や乳製品を取り入れるように心がけます。

学童期

小学校の学童期は骨の成長が著しい時期であり、カルシウム摂取を意識する必要があります。牛乳やヨーグルト、チーズといった乳製品、小魚や野菜を積極的に取り入れます。乳製品への耐性が弱い場合、イオン化カルシウム飲料がおすすめです。なぜなら通常、固形のカルシウムは胃で消化されイオン化カルシウムに分解され、腸で吸収されます。カルシウムイオンをドリンクで摂取すると、腸にダイレクトに届けられ、カルシウムの体内への吸収量が非常に高く、成長に寄与します。

思春期・青年期

急速な身体の成長と性的成熟に伴い、カルシウムの需要が増加する時期になります。学童期と同様に乳製品や小魚を多く摂るほか、大豆製品からもカルシウムを摂取するようにします。運動量が激しい人は、次の成人期を参考にして摂取量を上表で守るようにしください。

成人期

生活習慣病の予防と、将来の骨粗しょう症予防のためにカルシウムの摂取量が重要です。上記表を参考に、バランスの取れた食事を心がけ、乳製品、魚介類、野菜、大豆製品からカルシウムを摂取するようにします。特に、激しいスポーツ選手などはカルシウムバランスに注意し、激しく消費される心筋の鼓動や筋肉収縮、神経伝達系の細胞のケアを忘れないようにします。体内ではカルシウムは分解されて、イオン化カルシウムしか存在せず、細胞の活性化に寄与しているからです。

妊娠・授乳期

胎児や乳児の健康な骨格の形成を支えるために、カルシウムの摂取が特に重要な時期です。カルシウムの摂取量を増やし、特に乳製品や魚介類を積極的に摂るようにします。特に、胃でのカルシウム消化後の体内吸収補助食品やマグネシウムなどの栄養素を摂るるように心がけます。最低1日15分、日光を浴びることでビタミンDの生成を補助することも大切です。

中年期・更年期

男女ともに更年期を迎えることで、骨密度の低下が始まる年代であり、カルシウムとビタミンDの摂取がカギとなります。下記の表のように、50代はホルもオンバランスの影響で骨密度が極端に減少しますので、骨密度の維持を目的として、乳製品、緑黄色野菜、小魚などからカルシウムを摂取することが望ましく、積極的に摂りましょう。

グラフ:女性における腰椎骨密度の年齢分布(カルシウムの獲得から喪失まで) [厚生労働省:骨粗しょう症治療のカイドラインより引用]

高齢期

骨粗しょう症のリスクが高まるため、カルシウムとビタミンDの摂取を意識します。摂取しやすい形態のカルシウム含有食品(乳製品やカルシウム強化食品)を利用するほかに、高齢者にはカルシウムイオンドリンクがお勧めです。飲みやすく、一定量が手軽に、服用できるので、イチオシです。

まとめ

カルシウムの摂取は場合によっては食事だけでなく、サプリメントを利用することも検討する必要があります。ただしサプリメントの利用時には、カルシウムイオン飲料を強くお勧めします。成長期に示したように通常、固形のカルシウムは胃で消化されイオン化カルシウムに分解されて、腸で吸収されます。またその際は、上記表で示したように年代別の適量を摂取し、過剰摂取にならないように注意することが重要です。