カルシウムはわたしたちの骨や歯に存在し、強い衝撃ががあると骨折や圧迫などの障害をを受け、寝たきりになってしまうので、健康の維持に欠かせない基本的な栄養素です。しかしそれ以上に重要な、もうひとつの役割がカルシウムには存在します。それは単なる栄養素以上のもので、このカルシウムの不調があると、身体がコントロールできません。骨や歯など身体を支える構成要素としてカルシウムと、あまり意識されていないカルシウムの姿をまとめて見ました。
カルシウムには2つのパワーがある
体内のカルシウムには2つの顔があります。固体化するカルシウムと、細胞間にメッセージを運ぶ自由に移動するカルシウムです。1つめのカルシウムは、健康な骨や歯を維持するために必要な栄養素であり、身体の体格を維持しています。もうひとつはイオン化したカルシウムです。胃で消化されたカルシウムは、イオン化カルシウムに分解され腸で吸収されます。体内にカルシウムイオンとして自由に移動して細胞間にメッセージを運ぶ活動をしています。心筋や筋肉を収縮させたり、記憶を保持したりしています。最近では睡眠に入る役割もしていることが解ってきました。カルシウムはわたしたちの体内で、多くの重要な機能を果たしています。
日々の食事を通じて摂取することで、わたしたちの体全体を支え、日々の活動を可能にする基盤となっています。健康な体を維持するためには、バランスの良い食事から適切な量のカルシウムを摂取することが重要です。毎日の食事でカルシウムをしっかりと摂り、健康な体を維持しましょう。
体を形づくるカルシウム
カルシウムは、骨や歯の主成分であり、これらを強く丈夫に保つ役割を持っています。すなわち体内でのカルシウムの99%は骨の材料となって、体格を形づくる役目を担っています。垂直に立てるように骨組みがなされ、身長を維持しています。生命誕生から5億年前には脊椎動物に進化していますので、わたしたちは長い歴史の果てに存在しているカルシウムをもっと重要視しなければなりません。
体内で情報を伝えるカルシウム
体内でのカルシウムは、カルシウムイオンに分解され筋肉の動きや神経伝達、血液の凝固など、体のさまざまな生理的プロセスにも関与しています。このときのカルシウムイオンは原子1個分程度の大きさなので、細胞の中へ自由に出入りしています。これが本来のカルシウムの働きなのです。体内の骨を形成するカルシウムは、カルシウムイオンを材料として再形成されたものです。
1:99のカルシウムバランス
わたしたちの体内でカルシウムが不足すると、骨が弱くなったり、筋肉の機能が低下したりする可能性があります。それは骨を溶かして、血中のカルシウムイオン量を一定に保っているからです。カルシウムバランスと言って、カルシウムイオン1%に対して、99%が骨のカルシウムです。体重の15%程度(男性10kg、女性7kgほど)が、この骨のカルシウムです。体内の血中や細胞内のカルシウムイオンがいかに希薄なのかがわかります。しかしこの希薄なカルシウムイオンは、37兆個のすべて細胞内にカルシウムストアといったカルシウム貯蔵庫を保有し、細胞の活性化に貢献しています。この重要性をわたしたちは再認識する必要性があります。
2種類のカルシウムが体をコントロール
例えば、カルシウムが十分に摂取されていないと、子供の成長期に骨が十分に強くならず、大人になってから骨粗しょう症のリスクが高まることがあります。また、カルシウムは筋肉の収縮にも必要で、心臓の健康維持にも役立ちます。日常的にカルシウムを含む食品を摂取することで、これらの健康問題を防ぐことができます。
まとめ
カルシウムは私たちの健康維持にとって非常に重要な栄養素なのです。乳製品、緑黄色野菜、小魚など、カルシウムを豊富に含む食品を意識的に食事に取り入れることが大切です。また、この意識化は骨よりもすべての細胞を出入りするカルシウムイオンに向けられ、生命の維持に活躍していることが重要です。カルシウムイオンの1%の充足が、特に重要なのです。