カルシウムはイオン化されて骨に届く

体内のカルシウムイオンが不足すると骨から補給される

体内にはカルシウムイオンとして存在

カルシウムは、骨や歯の健康を維持するために特に重要です。このミネラルは、主に食品を通じて摂取され、消化過程で胃によって分解されることで、体内で利用可能な形、つまりカルシウムイオンとして吸収されます。体内において、カルシウムイオンの濃度は非常に厳密に制御されており、これが一定の範囲を保つことで、細胞の機能や全体の健康が維持されます。

体内のカルシウムイオンの濃度は常に一定

体内のカルシウムイオン濃度の低下は、人体はこのバランスを回復させようとします。このとき破骨細胞は、骨からカルシウムを溶出して取り出し、血液中のカルシウムイオン濃度を正常化させて、体内のカルシウムバランスを維持しています。このメカニズムは、体内のカルシウムイオン濃度を「1」とすると、骨や歯を形成するカルシウム結晶の量を「99」とし、常に比率を一定に保っています。これは、体の健康を維持するために不可欠なプロセスです。

人体37兆個の細胞を活性化する栄養素

カルシウムイオンは私たちのカラダを支えているといっても過言ではありません。カルシウムは栄養素の中でも、私たちの生命を支える主力のミネラルと言えます。カルシウムイオンは、骨の組織をつくるだけでなく、血液中や血液外液、細胞内や細胞間組織に存在し、すべての細胞の活性化に寄与しています。骨内の細胞を支援して骨格を維持するだけでなく、筋肉や心筋などの収縮、神経細胞の伝達、皮膚細胞のターンオーバーなど、あらゆる細胞を支援する、最も重要な栄養素として認識しましょう。

日本人のカルシウム摂取量は不足がち

日本人のカルシウム摂取量と骨の健康

日本人の平均カルシウム摂取量は、成人で約503mg（令和元年）とされ、これは厚生労働省が推奨する1日あたりの摂取目安量である男性700〜800mg、女性650mgに対して明らかに不足しています。カルシウムは骨や歯の形成に不可欠なミネラルであり、不足すると骨密度の低下や骨粗しょう症などのリスクが高まります。

カルシウム摂取の重要性

カルシウムは、骨の健康維持だけでなく、筋肉の収縮や神経伝達など、体のさまざまな機能にも重要な役割を果たします。しかし、現代の日本人の食生活では、カルシウムが豊富な乳製品や小魚を十分に摂取していない傾向にあります。これがカルシウム摂取不足の一因となっています。

カルシウムイオンの役割

体内でカルシウムがその機能を果たすためには、イオン化した状態で存在する必要があります。カルシウムイオンは、細胞内のさまざまな生化学的プロセスにおいて中心的な役割を果たし、血液中のカルシウム濃度の調整にも関与します。カルシウムイオンの適切なバランスは、健康な骨格を維持する上で不可欠です。