カルシウムとイオン化カルシウムの違いは?

カルシウム
カルシウムは、地球の地殻に広く分布する化学元素で、人間の体内でも重要な役割を果たすミネラルの一つです。私たちの骨や歯の主成分として知られ、健康維持に不可欠です。日常的には、牛乳やチーズなどの乳製品、小魚、緑黄色野菜から摂取します。しかし体内では、2つの形態に分かれます。1つはイオン化カルシウム(カルシウムイオン:Ca2+)として、ほぼ原子1個分に水が吸着した1つはカルシウムとして骨や

カルシウムから、カルシウムイオンへ

カルシウムは胃で消化され、イオン化カルシウムに分解されます。このプロセスは、主に私たちの消化システムで、特に胃での消化過程によって行われます。つまり体内には、イオン化カルシウムしか存在しないのです。骨はカルシウムなのですが、体内で骨の隙間に存在する骨芽細胞によって、カルシウムイオンを再沈着させて固着させた2次生成物です。

栄養素カルシウムの摂取

わたしたちは、食事を通じてカルシウムを摂取します。カルシウムは乳製品、緑黄色野菜、小魚などの食品に含まれています。これらの食品に含まれるカルシウムは、主にカルシウムの塩(エン)の形に消化されます。例えば、カルシウムカーボネート塩やカルシウムシトレート塩などで存在します。ここで塩とは、塩基と酸が反応して結晶生成物をつくることです。例えば「塩(しお)」も、塩基のナトリウムと酸の塩酸が反応して、塩(しお)になります。この塩(しお)が腸で分解されてカルシウムイオンとして吸収されます。

胃でのカルシウムの消化過程(イオン化カルシウム)

摂取したカルシウムを含む食品は、まず胃に到達します。胃では、胃酸(塩酸)が分泌され、食品を消化する過程が始まります。胃酸の作用によって、カルシウム塩は溶解され、カルシウムイオン(Ca2+)に分離します。このプロセスによって、カルシウムがイオン化され、体に吸収されやすい形に変わります。体内でこのカルシウムイオンは血中や細胞内、細胞間質に存在しますが、大半が再びカルシウムに沈着されます。この比率は、体内では変化せずに、カルシウムイオン1%に対してカルシウム99%です。カルシウムイオンが充足されないと骨から破骨細胞が溶かし、カルシウをイオン化してしまいます。この1%の体内充足がわたしたちの健康を維持しています。

腸でのカルシウムイオンの吸収

イオン化されたカルシウムは、胃から小腸に移動します。小腸では、カルシウムイオンの吸収が主に行われます。小腸の壁には、カルシウムイオンを効率的に吸収するための特殊な輸送体が存在しています。ビタミンDは、このカルシウムイオンの吸収を促進する重要な役割を果たします。カルシウム吸収を促進する補助栄養素ビタミンDは、カルシウムイオンの小腸からの吸収を助け、血液への取り込みを促します。

体内でしか存在しないカルシウムイオンとその利用

血液に吸収されたカルシウムイオンは、体内でさまざまな生理的機能に利用されます。99%のカルシウムイオンは骨や歯を形成に利用されますが、残り1%のカルシウムイオンが筋肉の収縮や神経信号の伝達、血液凝固などに利用されます。1%のカルシウムイオンの充足をカルシウムサイクル(骨芽細胞と破骨細胞による骨の生成と溶解)と呼んでいます。

まとめ

カルシウムからカルシウムイオンへの変換プロセスは、胃での消化過程によって始まり、小腸での吸収によって完了します。このプロセスは、カルシウムが私たちの体で有効に利用されるために不可欠で、1:99の比率が変わらないというシステムが重要です。この1%は絶対で、充足させるために骨を溶かします。おして、細胞を活性化させています。スポーツ選手が多くの食を摂取するのはカルシウムイオンの充足を目指しています。適切なビタミンDの摂取は、カルシウムイオンの吸収と利用を助けるために重要な役割を果たします。