高齢者とカルシウムイオン──骨密度と筋肉と健康

カルシウムイオン
高齢になると共に、私たちの体は多くの変化を経験します。特に骨の健康は、加齢によって大きな影響を受ける部分の一つです。骨密度の低下は、骨折や骨粗しょう症などを、筋肉や内蔵など細胞活動の低下も疾病の原因をつくります。日本人のカルシウム不足は、さまざまな健康問題を引き起こすリスクを高めていると考えられます。このようなリスクを最小限に抑え、活動的で健康的なライフスタイルを維持するためには、カラダ全体をコントロールする栄養素カルシウムは、骨の健康を支え細胞を活性化させる、特に重要な栄養素です。

健康な老後のために、カルシウムイオンに注目!!

高齢者にとって、十分なカルシウムを摂取することは、骨密度を維持し、骨折や骨粗しょう症のリスクを減らし、散歩やウォーキングに必要な運動能力を維持するために不可欠です。しかし、高齢者のカルシウム摂取は、若い時期と比べていくつかの課題があります。加齢によりカルシウムの体内吸収力が減少しています。胃での消化力が落ちていたり、腸での吸収酵素のパワーが減衰していたりすることです。これまでの常識では、カルシウムは骨の健康しか焦点が当たっていませんでした。しかしいま体内にはカルシウムイオンしか存在しないことが判っています。カルシウムイオンは、全身の細胞の中や細胞間の隙間、血管内を自由に流動して、身体の機能を正常に保つために活躍している栄養素です。骨や歯は摂取した時のカルシウムではなく、イオン化カルシウムとリンとの化合物で、「塩」と呼ばれる結晶構造として存在しています。これらから、高齢者のカルシウム摂取はただの栄養補給を超え、健康的な生活を送るための基盤となります。

骨密度の向上には、体内に充分なカルシウムイオンが必要

加齢と共に、私たちの体はカルシウムを吸収し利用する能力が低下することがわかりました。特に高齢者の場合、消化器官の機能効率の変化やホルモンバランスの変動により、食事から摂取したカルシウムの腸での吸収力が、若い頃と比べて大幅に減少します。この吸収力の低下は、骨密度を維持する上で大きな障害となってきています。なぜなら、カルシウムは体内で骨を形成し、その密度を高めるために不可欠なミネラルだからです。したがって、高齢者はより多くのカルシウムを意識的に摂取し、その吸収を助ける食品やサプリメントを選ぶ必要があるのです。高齢者が直面するこれらの課題解決として、日々のカルシウムの効率的な摂取を図ることは、骨密度や健康な筋肉を維持した人生120年時代の高齢化ライフを送るための基本スタイルです。

筋肉パワーを維持するためにもカルシウムイオンが必要

骨の健康を維持するにはカルシウムだけでなく、その他の栄養素とのバランスが重要です。しかしなぜ必要かというと、あまり説明されていないのが現状です。実は、体内に炭酸カルシウム(CaCO3)は存在せず、カルシウムイオン(Ca2+)しか存在しません。カルシウムを体内へイオン化吸収するために、ビタミンDやK、マグネシウム、リンなどの補助栄養素があり、分解・吸収を助けています。また骨にカルシウムが定着するのを促進する役割も持っています。しかし、高齢者はしばしばビタミンDの不足に直面しています。これは、屋外での活動減少、食事からのビタミンD摂取量の減少、または皮膚が年齢と共にビタミンDを生成する能力が低下するためです。ビタミンDの不足は、カルシウムの吸収不良を引き起こし、骨密度の低下や骨折のリスク増加に直結します。このため、高齢者はビタミンDとカルシウムを同時に補うことが、骨の健康を保つ上で非常に重要になるのです。

バランスのよい適切な運動と食事が体内の充足を補助

生活習慣の変化も、高齢者のカルシウム摂取に影響を与えています。加齢に伴い、身体活動のレベルが低下することが一般的ですが、これがカルシウムの代謝にも影響を及ぼします。身体活動は骨の健康を促進し、骨密度の維持に貢献することが知られています。運動によって骨に適度なストレスがかかると、骨はより強くなるように反応します。一方で、活動量が少ないと、骨はその密度を失いやすくなり、カルシウムが骨から流出しやすくなります。したがって、高齢者にとっては、適切なカルシウム摂取を心がけるだけでなく、定期的な身体活動を維持することも、骨の健康を保つためには不可欠です。世代を超えて充分なカルシウム摂取が必要です。

カルシウムイオン吸収に向け、食事は補助栄養素を摂取

具体例として、80歳で活動的な生活を送る高木まりあさんの話があります。マリアさんは毎日、カルシウムが豊富な食品を意識的に取り入れ、さらに医師のアドバイスに従ってカルシウムとビタミンDのサプリメントを摂取しています。また、週に数回の軽いウォーキングや水泳を続けることで、骨の健康を支えています。しかし通常のカルシウムサプリメントは、体内へのカルシウムイオン吸収率が低く、充分なカルシウムイオンが体内に存在していません。このような生活習慣のおかげで、まりあさんの骨密度は頑張った割には通常の域を出ません。しかし過去数年間は骨折もありませんでした。この例からわかるように、カルシウム摂取、適切な栄養補給、そして定期的な運動の組み合わせが、高齢者にとって骨の健康を維持する上で極めて重要ですが、カルシウムイオンを意識していないと、対応力が低い状態のままです。

毎日の健康習慣に「カルシウムイオン飲料水」がおススメ

高齢者におけるカルシウムの重要性は、ただ単に骨折を避けるためだけではありません。適切なカルシウム摂取は、活動的で自立した生活を長く続けるための基盤となります。健康な骨は、健康な体全体の基礎となり、高齢者の骨の健康を守るためには、体内にカルシウムイオンの充足が欠かせません。日々の食事計画にカルシウムを豊富に含む食品を取り入れ、必要に応じてカルシウムイオン飲料水の利用が推奨されます。また、定期的な運動も骨の健康を維持する上で重要です。特にかかと落とし歩きは、骨全体に垂直に下から衝撃を与えることで、骨自身が耐性を保持するように働きます。このような取り組みにより、高齢者でも健康的で活動的なライフスタイルを送ることが可能になります。