神経が情報をバトン渡し──カルシウムイオン登場！

脳の神経細胞どうしは、直接つながっていません。ほんのわずかのスキマ（シナプス）を挟んで、そこで情報のバトンを渡します。

このバトン渡しの瞬間に、カルシウムイオンが活躍します。
　1）電気信号が神経の端まで到着
　2）カルシウムイオンが一気に流れ込む
　3）“情報のつぶ”が放出される
　4）次の神経がキャッチ
　5）思考・記憶・判断につながる

この“カルシウムイオンの流入”が弱いと、
　・反応が鈍い
　・集中が途切れやすい
　・理解力が落ちる
などの現象が起きます。

逆に、カルシウムイオンの流れがスムーズだと、
　・情報処理が速く
　・切り替えもうまく
　・記憶の定着も良い
…という、まさに「頭の回転が速い状態」になります。

「今日なんかキレキレ！」という日は、脳の神経伝達の“バトンリレー”がうまくいっている証拠です。

集中力がもたないのは、やる気の問題じゃない!?

最近よく聞くのが、
　「集中が続かないんです…」
　「すぐに頭が疲れる…」
という悩み。でもこれ、性格の問題じゃありません。

集中力とは、神経回路の持久力みたいなもの。長く続けるには、安定して正しいイオンの流れが必要です。

　・ストレス
　・睡眠不足
　・スマホの刺激過多
　・水分不足
　・カフェインの取りすぎ
これらは全部、神経のカルシウムイオンの流れを乱して、脳の回路の「持久力」を落とします。

だから、
　「集中力 ＝ 才能」
ではなく、
　「集中力 ＝ コンディション」
しかもそのコンディションは、意外なほど毎日の生活習慣で変わるんです。

つまり、頭の働きは鍛えるより、整えるが正解なんです。スイッチの入りやすい脳を作ると、勉強も仕事も自然にキレが出てきます。

今日からできる！ “頭の回転を上げる”イオン習慣

勉強や仕事の効率を上げるには、神経伝達の環境を整えることが大事。そのための習慣を、今日からできるものだけに絞って4つ紹介します。

① 水分をこまめにとる

脳の神経は“水の中”で動いています。軽い脱水でも、イオンの流れがガタつき、頭の回転が落ちます。

② 勉強の前に深呼吸 or 軽いストレッチ

緊張状態はカルシウムイオンを“興奮モード”に偏らせます。ブレーキが入ると、集中の入りが一気に良くなります。

③ 45分学習 × 5分休憩のリズム

神経のバトンリレーはずっと続けると精度が落ちます。短い休憩が、イオン流れのリセットになります。

④ 寝る前のスマホを控える

光よりも「脳への情報量」が問題です。神経の興奮が収まらず、翌日の脳疲労につながります。

どれも簡単だけど、すべて「イオンの流れを整えるための行動」です。続けるほど「昨日より今日、今日より明日」の自分に出会えます。